いしがき、なび。

石垣島、泡盛特集

石垣島、泡盛特集
泡盛は、沖縄本島や諸島部で作られている沖縄特有の蒸留酒です。
内地の方は、ヤバイ酒!なんて言う方もいらっしゃいますが、泡盛は大手の蔵造と言う感じではなく、集落で家族で作ってるという感じが多いので、個性(香りや味、等)が出やすいお酒です。

そもそも「泡盛」ってどんなお酒なの??

泡盛の主な原材料は米です。
黒麹菌の力を利用して蒸した米に黒麹を付着させてデンプンを糖化し、酵母でアルコール発酵させ、もろみを単式蒸留器で蒸留して作ります。

主にロックで楽しみますが、シークワーサーを入れたり、珈琲で割ったりと様々な飲み方が楽しめるお酒です。石垣島では「クール(石垣島産の乳酸菌飲料)」で割ったり、幅広く楽しめます。
料理に合わせて、何が合うのか探すのも面白いです。

泡盛の合う料理は、やはり沖縄料理ですかね。特に泡盛を使って料理したラフテーとの相性は抜群です。
ちなみに3年以上貯蔵したものは古酒(クース)と呼ばれます。
ただ単に、泡盛を寝かすのではなく、「仕次ぎ」という減った量を1年に1度泡盛を注ぎ足す手法で熟成させることもあります。
琉球王朝時代の200年~300年物がありましたが、残念ながら先の沖縄戦で失われ、今は「識名酒造」に貯蔵された150年物の古酒があるのみです。
戦争で、多くの蔵が焼失し古酒だけでなく、泡盛を仕込んで個性を出す「黒麹菌」も無くなってしまいました。
もう、戦前本来の受け継がれた泡盛の味が出せないのかと思っていたところ、東京大学の坂口謹一郎先生が、研究用に戦前に各泡盛メーカーを回って黒麹菌を採取していたことが解かり、戦前に採取されたものでしたが、東京大学の実験室で発見された際、まだ黒麹菌は生きていました。
 「瑞泉酒造」は、この黒麹菌を何回も再生培養することを成功させ戦前と同じ泡盛を復活させることに成功「御酒(うさき)」と言う泡盛ができました。
この泡盛は、東京大学内で唯一販売されている酒で売店で購入できます。

変わった方法で、熟成させる方法もあります。沖縄諸島の西に位置する粟国島などには残っているとされる風習をガレッジセールのゴリさんが映画化した『洗骨』でも有名です。
一度、土葬や風葬などを行った後に、お骨を海水や酒などで洗い清め、改めて納骨する風習。「ユタ(沖縄、奄美地方で言う霊媒師)」の指示で奇数年度に一度その儀式が行われました。
その家に嫁いだお嫁さんがお骨を海で洗った後、泡盛で清め新たな「ジーシガーミ(甕)」に納めます。

沖縄の場合、後の儀式である洗骨を考えて泡盛瓶を亡くなった方と一緒に納められ洗骨の際にはこの泡盛を使用し、墓内の一定の温湿度で熟成された泡盛は、洗骨の時には古酒になり参列者で余ったこの古酒で死者の弔いをしたと言われています。

 こんな、色々な歴史がある泡盛ですが、こんな歴史を知った上で楽しむと味わいも倍増するかもしれません。

ぜひ、石垣島の泡盛を楽しんでください!

石垣島の泡盛

石垣島を代表する6種類の泡盛を紹介します。 色々な個性をもった島人が愛する泡盛。価格もリーズナブルなのでお土産で持って帰る方も多いです。あまり買って帰ると空港で超過料金(参考:3合瓶で1本約970g)を請求されますのでご注意ください。

「於茂登」高嶺酒造所

泡盛初心者向け!
県内最高峰の於茂登連山の天然水で仕込んだアルコール度数30度の一般酒。老麹仕込みの直火の地釜蒸留ならではの上品で香ばしく、やわらかで甘くきれいな風味が楽しめます。
泡盛本来の旨味を活かした簡易濾過で、のびがきくため、水割りで飲むのがおすすめ。泡盛ファンだけでなく、泡盛を初めて飲むという方にもおすすめです。
≫工場見学可能となっています。
アルコール度数 30%
タイプ 一般酒
麹の種類 米麹

「請福」請福酒造有限会

石垣島泡盛三大勢力の優!
釜に直に火を当てて蒸留する昔ながらの直火釜蒸留が特徴、釜に直に火を当てて蒸留する昔ながらの製法で作っています。ひとつひとつの釜の火を丁寧に火加減し、しっかりとした旨味、ほんのりお米の甘味と高く香る香ばしさあります。薫りもコクもまさに泡盛らしい大変飲み応えのある泡盛です。
アルコール度数 30%
タイプ 一般酒
麹の種類 米麹

「白百合」池原酒造

泡盛通が唸る一品!
数ある泡盛の中でも特に濃厚な「香り」と「風味」を誇る逸品。昔ながらの手造り製法を大切に、造れる量だけを丁寧に製造しています。洗米から蒸留まで一貫して手作業で行い、添加物なしの100%天然醸造と、直火釜での蒸留にこだわった泡盛です。芳醇な香りとすがすがしい甘みのある、風味豊かな泡盛です。
≫工場見学可能となっています。
アルコール度数 30%
タイプ 一般酒
麹の種類 米麹

「八重泉」八重泉酒造

石垣島ポピュラー泡盛!
創業から数十年以上、試行錯誤を繰り返した八重泉の原点と言える逸品、石垣島に伝わる直火式蒸留と黒麹仕込みによるどっしりと香ばしい香り、切れのあるバランス良い味わい、奥行きのある甘み、初心者から中級レベルアップと言える泡盛です。
≫工場見学可能となっています。
アルコール度数 30%
タイプ 一般酒
麹の種類 米麹

「玉の露」玉那覇酒造所

歴史の中で育まれた逸品!
明治末に首里の酒造所から分離して石垣島で創業。創業以来、伝統の地釜を用いた「直釜式蒸留」にこだわり今も昔ながらの技法で、仕込みはもちろん、瓶詰めやラベル貼りも全て手作業。
古酒を前提とした老麹の仕込み、常温で濾過されることによって、泡盛本来の旨みを引き出した昔ながらの豊かな風味が特徴です。上品な香りとコク、甘くまろやかな喉ごしです。ぜひ、お土産に一本。
アルコール度数 30%
タイプ 一般酒
麹の種類 米麹

「宮之鶴」仲間酒造所

まさにレアな希少泡盛!
石垣・宮良湾で床麹法、地釜式蒸留機など昔ながらの製法を守る小さな蔵で社長夫婦と息子夫婦の家族4人で、泡盛を造っているため数に限りがあるレア泡盛です。 濃厚な甘さに奥深い泡盛ですが、そんな中にも、泡盛にキレを感じられ、独特な味わいバランスがやめられない、癖になる逸品です。
≫工場見学不可ですが、売店があります。
アルコール度数 30%
タイプ 一般酒
麹の種類 米麹

泡盛の美味しい飲み方

水割り

水割りは泡盛のようなアルコール度数の高いお酒が苦手な人におススメの飲み方です。アルコール度数が15~20%くらいになるようにお水の割合を調整すれば、泡盛の風味や香りを損なうことなく飲むことができます。

ストレート

泡盛のもつ本来のコク深い味わいや風味、甘味ある香りを堪能したい方におススメの飲み方がストレートです。泡盛用のカラカラ(酒器)を使って飲むことで雰囲気も楽しむことができるでしょう。

オン・ザ・ロック

ひんやりとした飲み口、のど越しや泡盛ならではの芳醇な香りと味わいを楽しみたいならオン・ザ・ロックがおススメです。色彩豊かな琉球グラスで飲むことで雰囲気も同時に楽しむことができるでしょう。

お湯割り

泡盛の醍醐味である香りを最大限に楽しみたい方におススメの飲み方です。寒い日にはお湯割りでポカポカ温まります。

コーヒー割り

沖縄のコンビニでは泡盛コーヒー割りは定番商品として置いているほど人気の飲み方です。スッキリとした味わいと泡盛の芳醇な香りを楽しむことができます。泡盛が苦手な人でもコーヒー割りならという人もいらっしゃいます。

他にもソーダ割り・シークワーサー割り・さんぴん茶割りなど様々な飲み方があります。これが正解というものはなく、自身が一番美味しいという飲み方で飲むのが一番です。ただし、泡盛はアルコール度数が高いので飲みすぎには注意してくださいね。

泡盛豆知識「泡盛3合瓶の不思議」

泡盛の透明な「琉球泡盛」と刻印された瓶。通称「3合瓶」。 ですが「3合瓶」ですがよく見ると600㎖と書いてあります。3合なのに600㎖とは?
3合なら540㎖が正解ですが…。

戦前、泡盛の量り売りの場合は「トゥータン」と呼ばれるトタン製の泡盛樽に入れられて、各地の小売店に運ばれ、量り売りが主流でした。 戦後もビン詰めが普及するまで「トゥータン」は、よく使用されていましたが、戦後、量り売りだった泡盛は、ビン詰めで販売されるようになり、当初は泡盛専用の瓶がないため、ビールやソース、醤油の瓶を再利用して詰めて売られてました。
回収した瓶を手作業で一本、一本ブラシで洗い、コーラの王冠を集めてきて、再利用しましたが労力が掛かったといわれています。ちなみに最初に瓶詰めの泡盛を製作したのは1953年に「識名酒造」が使用したソース瓶が初とされています。 戦後は、一升瓶より手頃感のある3合瓶に人気が高まり、泡盛の瓶はビール瓶がよく再利用され、米軍が不要となり放出したビール大瓶(633㎖瓶)を再利用していたことから、これらの瓶に泡盛を詰めて販売し現在でもその当時の名残として容量600mlが踏襲されています。

泡盛専用ボトルが本格的に造られるようになるのは本土復帰後で、瓶も蓋も全銘柄共通で使われていますが、泡盛が安く見えてしまうなどで、県内流通用として使用されています。

石垣発!泡盛ピッチャー飲み!

テレビ番組の某県民何とかとかいう番組でも紹介されましたが、ビールピッチャーに満タンに氷を入れて、そこに泡盛(お好きな濃度で)を入れて水を注ぐ、くるくる掻きまわしてハイ出来上がり!
氷をグラスに入れて、そのまま注ぎます。中にはサンピン茶やコーヒー、マンゴージュース、クール(石垣産乳酸菌飲料)等、お好きなドリンクで割って飲みます。
飲みやすいので、すぐに撃沈する方はご注意です! はっきり言って、飲みやすいです。特に「於茂登」でやると味がまろやかな分、確実にやらかします。
注意しながら、適量で泡盛をお楽しみください。