いしがき、なび。

緑に囲まれたフルスト原遺跡の石積み

CULTURE NATIONAL HISTORIC SITE

フルスト原遺跡

FURUSUTOBARU RUINS

石積みの間を歩き、八重山の古い集落を想像する。

草木と石灰岩の石積みが残る、石垣島大浜の静かな歴史空間。

DESIGNATION 国指定史跡
HISTORICAL PERIOD 14世紀後半〜16世紀初頭
FEATURE 石積みを持つ集落跡

01 FIRST HISTORIC GUIDE

石積みの内側に、かつての暮らしを想像する。

城跡を見るのではなく、一つの集落を歩く。

フルスト原遺跡は、石垣島南東部の大浜に残る国指定史跡です。 標高約25mの石灰岩丘陵上に広がり、 遺跡の周囲からは宮良湾方面の風景を望めます。

一見すると沖縄本島のグスクにも似ていますが、 現在の研究では、城郭よりも屋敷を囲う石垣が連続する 集落跡としての性格が強いと考えられています。

石積みの高さや入口、囲われた空間、 遺跡内に残る道を見比べながら歩くことで、 何百年も前の人々の暮らしを想像できる場所です。

AT A GLANCE

フルスト原遺跡を歩く前に

指定年代や規模、石積みの性格を知っておくと、 遺跡内の見え方が大きく変わります。

文化財指定
国指定史跡

1978年3月3日に国の史跡へ指定

指定面積
約12.3ha

一つの建物ではなく、広い集落空間が残る

石塁遺構
15基を確認

現在は7基の石積みが復元されている

存続年代
14世紀後半〜16世紀初頭

15世紀に最盛期を迎えたと考えられている

現在の解釈
石積みを持つ集落跡

城郭より屋敷囲いの要素が強いと考えられる

主な出土品
土器・中国産陶磁器など

暮らしと島外交流を考える手がかり

THREE VIEWPOINTS

三つの視点を持って歩く

  1. 01
    SPACE 石積みで囲まれた空間を見る
  2. 02
    DAILY LIFE 生活用品が出土した意味を考える
  3. 03
    LANDSCAPE 丘陵と宮良湾の位置関係を見る

UPDATED IN 2026

現地の説明板は新しくなっています。

2026年5月に既存の説明板5か所が更新され、 新たに3か所が追加されました。 現在は八つのテーマをたどりながら遺跡を見学できます。

※復元状況や見学環境は変わる場合があります。訪問時は現地の案内表示を優先してください。

CHAPTER 01 ABOUT THE RUINS

フルスト原遺跡とは

石垣島大浜の丘陵に残る、広大な集落の跡。

フルスト原遺跡は、標高約25mの石灰岩丘陵上に形成された遺跡です。 指定面積は約12.3haあり、 石積みだけでなく広い土地全体が歴史を伝えています。

遺跡が存続した時期はおおよそ14世紀後半から16世紀初頭で、 15世紀に最盛期を迎えたと考えられています。 石垣島や八重山の社会が大きく動いた時代の集落跡です。

広い緑地と道が続くフルスト原遺跡
A WIDE SETTLEMENT SITE ON A LIMESTONE HILL

WALK THROUGH THE LANDSCAPE

石積みだけでなく、石積みと石積みの間を歩く。

一つの石積みだけを見ていると、 フルスト原遺跡の規模や構造は伝わりにくいかもしれません。 道を進みながら、複数の石積みがどのように配置されているかを見てみましょう。

開けた場所、木々に囲まれた場所、 石積みで区切られた空間を順番にたどることで、 ここに集落があったことを立体的に想像できます。

THREE CHARACTERISTICS

遺跡を理解する三つの特徴

年代だけでなく、規模、立地、暮らしの痕跡を 重ねながら見ることが大切です。

01

LARGE SETTLEMENT

広い土地に残る集落空間

約12.3haの範囲に遺構が広がります。 短い距離だけで判断せず、 遺跡内をゆっくり歩いて全体の規模を感じてみましょう。

02

LIMESTONE HILL

宮良湾を望む丘陵の立地

遺跡は石灰岩丘陵上に位置します。 周囲の地形と海の方向を確認すると、 人々がこの場所を選んだ理由を考える手がかりになります。

03

DAILY LIFE

出土品が伝える日々の暮らし

土器や陶磁器などの生活用品が見つかっています。 石積みの強さだけでなく、 その内側で営まれた暮らしにも目を向けてみてください。

HISTORICAL TIMELINE

遺跡の時間をたどる

  1. 01
    LATE 14TH CENTURY 遺跡の形成が始まる
  2. 02
    15TH CENTURY 集落が最盛期を迎える
  3. 03
    EARLY 16TH CENTURY 遺跡の存続時期が終わる
  4. 04
    1978 国指定史跡となる

CHAPTER 02 STONE WALLS

石積みと集落跡の見どころ

高さだけでなく、石積みが囲う空間を見る。

フルスト原遺跡では15基の石塁遺構が確認され、 現在は7基が復元されています。 石の形や積み方だけでなく、入口や内側の広さにも注目しましょう。

フルスト原遺跡に長く続く石灰岩の石積み

LIMESTONE WALLS

石灰岩を重ね、暮らしの空間を分ける。

石積みには、形の異なる石灰岩が組み合わされています。 表面だけでなく、厚みや曲がり方、 周囲の土地とのつながりを見てみてください。

01

HEIGHT

復元された石積みの高さ

石積みは、古老の記憶や確認された基礎部分を手がかりに 復元作業が進められてきました。 人の背丈との違いを比べると存在感が伝わります。

02

ENTRANCE

石積みの切れ目と入口

石積みが途切れる部分は、 人が出入りした場所や空間同士のつながりを 考える手がかりになります。

03

ENCLOSED SPACE

石積みの内側に残る広さ

囲われた空間へ立ち、 建物や庭、作業場所があった可能性を想像すると、 集落としての姿が見えやすくなります。

フルスト原遺跡の第3号石塁入口

THE THIRD STONE WALL

入口をくぐると、石積みが壁から空間へ変わる。

外側から石積みを見るだけでなく、 案内された入口から内側の空間も確認してみましょう。 周囲を囲われることで、石積みの役割を体感しやすくなります。

ただし、石積みの上へ登ったり、 石を動かしたりせず、既存の通路から見学してください。

CURRENT INTERPRETATION

城郭よりも、屋敷囲いの性格が強いと考えられる理由

01

生活用品が数多く出土

土器や中国産陶磁器など、 集落での日常生活を示す品々が見つかっています。

02

武器に当たる遺物が見られない

現在確認されている内容からは、 軍事拠点だけで説明することが難しいと考えられています。

03

石積みが連続して空間を囲う

複数の石積みが屋敷や生活空間を 区画していた可能性が指摘されています。

CHAPTER 03 OVERSEAS EXCHANGE

出土品から見る島外交流

石垣島の集落に、海を越えて運ばれた品々があった。

フルスト原遺跡からは、地域で使われた土器だけでなく、 中国産陶磁器を含む海外産の品々も見つかっています。 出土品は、当時の暮らしと広い交流を考える手がかりです。

OBJECTS THAT CROSSED THE SEA

石積みの内側に残された、島の外とのつながり。

陶磁器の産地や年代を調べることで、 どの時期にどの地域の品が八重山へ運ばれたのかを 考えることができます。

一つの破片だけで全てが分かるわけではありませんが、 多くの出土品を比較することで、 当時の交易や物資の移動が少しずつ見えてきます。

青空の下に残るフルスト原遺跡の石積み
THE RUINS BENEATH THE ISLAND SKY
01

LOCAL POTTERY

地域で使われた土器

日々の調理や保存など、 集落での生活を考えるための基本的な資料です。 石積みの内側に暮らしがあったことを伝えます。

02

IMPORTED CERAMICS

中国産を含む海外産陶磁器

海を越えて運ばれた陶磁器は、 八重山が島の外と無関係ではなかったことを示す 重要な手がかりです。

03

DAILY USE

特別な品と日常の道具

どの品が日常的に使われ、 どの品が貴重なものだったのかを考えることで、 集落内の暮らしや社会の姿に近づけます。

HOW ARCHAEOLOGISTS READ OBJECTS

一つの破片から読み取ること

出土した場所や周囲の遺物と組み合わせて、 品物が使われた時代と背景を考えます。

  1. 01

    SHAPE

    形や厚みを見る

    器の種類や用途を考える
  2. 02

    MATERIAL

    土や釉薬を見る

    生産地や製法の特徴を調べる
  3. 03

    DATE

    作られた年代を比べる

    遺跡が使われた時期を考える
  4. 04

    CONTEXT

    出土した場所を見る

    暮らしの中での役割を考える

INFORMATION BOARD 04

海外産陶磁器については、現地の新しい説明板でも確認。

2026年に更新された説明板のうち、 説明板④では遺跡から出土した海外産陶磁器などが紹介されています。 写真や解説を確認してから石積みを見ると、集落の印象がより深まります。

CHAPTER 04 OYAKA AKAHACHI

オヤケアカハチ伝承と現在の研究

語り継がれてきた英雄の物語と、遺跡が伝える暮らしの痕跡。

フルスト原遺跡は、八重山の豪族オヤケアカハチの 居城跡だったと伝えられてきました。 ただし、伝承と発掘調査から確認できる内容は分けて考える必要があります。

TWO WAYS TO READ THE SITE

伝承と考古学を重ねず、並べて読む。

01

ORAL TRADITION

オヤケアカハチの居城跡という伝承

大浜地区では、フルスト原遺跡が オヤケアカハチの拠点であったという物語が 長く伝えられてきました。

石積み、崖上の立地、宮良湾を望む地形が、 豪族の居城を思わせる景観として受け止められてきたと考えられます。

02

ARCHAEOLOGICAL RESEARCH

発掘調査が示す集落としての性格

遺跡からは、土器や中国産陶磁器など、 日常生活に関わる品々が多数見つかっています。

複数の石積みが生活空間を囲う配置からも、 単純な軍事施設ではなく、 屋敷や集落の機能を持っていたと考えられています。

THE YEAR 1500

オヤケアカハチと首里王府

オヤケアカハチは、15世紀末の八重山で勢力を持った人物として 伝えられています。 1500年には、尚真王の派遣した首里王府軍との戦いに敗れたとされます。

後世には、王府に反抗した人物、地域を守った英雄、 八重山の自立を象徴する存在など、 見る立場によって異なる物語が語られてきました。

01

WHO LIVED HERE

誰が石積みの内側で暮らしていたのか

特定の一人だけではなく、 複数の家族や有力者、集落の人々が 暮らしていた可能性も含めて考える必要があります。

02

WHAT WAS THE WALL FOR

石積みは何を守っていたのか

外敵だけでなく、風雨から建物を守ることや、 屋敷の範囲を示す役割など、 暮らしに関わる複数の機能が考えられます。

03

WHY THIS LOCATION

なぜ宮良湾を望む丘陵が選ばれたのか

海と陸の移動を見渡せる立地、 石灰岩を利用できる環境、 周辺集落との関係などが選定理由として考えられます。

CHAPTER 05 WALKING GUIDE

遺跡内の歩き方・新しい説明板

八つの説明板を目印に、石積みと景色を順番に読む。

2026年に説明板が更新され、 フルスト原遺跡の八つの魅力を 現地でたどりやすくなりました。

WALKING ORDER

最初に全体を知り、石積み、出土品、眺望へ進む。

全てを急いで回るより、 一つの説明板を読んだあと、 周囲の遺構と見比べる時間を取りましょう。

  1. 01
    OVERVIEW 遺跡全体と年代を確認
  2. 02
    RESTORATION 保存整備の過程を知る
  3. 03
    STONE WALLS 石積みの配置を見る
  4. 04
    CERAMICS 出土品と交流を知る
  5. 05
    VIEWPOINT 眺望広場から周辺を見る
02

RESTORATION PROCESS

説明板②・これまでの整備過程

石積みがどのように確認され、 保存修理と復元が進められてきたかを紹介しています。 復元された部分と残された遺構を考える入口になります。

04

IMPORTED CERAMICS

説明板④・海外産陶磁器

遺跡から見つかった海外産陶磁器などを通して、 当時の暮らしと島外交流を紹介しています。

05

LANDSCAPE

説明板⑤・眺望広場と周辺環境

新たに整備された眺望広場から、 宮良湾や周辺の地形と遺跡の関係を確認できます。

HOW TO OBSERVE

説明板を読んだあとの見方

説明を読むだけで終わらず、 その内容を周囲の景色から探してみましょう。

01

一度、石積みから離れる

少し距離を取り、 高さ、長さ、曲がり方、 周囲の石積みとの位置関係を見ます。

02

入口から内側を見る

どこから出入りし、 内側をどのように使っていたのかを 想像してみましょう。

03

海と丘陵の方向を見る

宮良湾、崖、平地の位置から、 この場所が選ばれた理由を考えます。

04

同じ場所を振り返る

進行方向と反対側から見ると、 石積みの厚みや空間の分かれ方に気づけます。

CHAPTER 06 WEATHER & CLOTHING

天候・服装・見学時の注意

屋外の遺跡だからこそ、足元と日差しへの準備を。

遺跡内には未舗装の道や草地があります。 晴天時の日差し、雨天後のぬかるみ、 虫や植物への対策をして見学しましょう。

01

SUNLIGHT

日差しと暑さ

日陰の少ない場所もあります。 帽子、日焼け止め、飲み物を準備し、 暑い時期は長時間の見学を避けましょう。

02

RAIN & MUD

雨とぬかるみ

雨上がりは土や草が濡れ、 石灰岩や未舗装路が滑りやすくなります。 足元の状態によっては見学範囲を短くしてください。

03

INSECTS & PLANTS

虫と草木

肌の露出を抑え、 虫よけを用意すると安心です。 道から外れて草木の中へ入らないようにしましょう。

04

STRONG WEATHER

強風・雷・台風後

強風や雷雨の予報がある場合、 台風通過直後で倒木などが懸念される場合は 見学を控えてください。

WHAT TO WEAR

おすすめの服装と持ち物

滑りにくく、汚れてもよいスニーカー
服装
動きやすい長ズボンと肌を守れる上着
日差し対策
帽子、日焼け止め、飲み物
雨上がり
替えの靴下やタオルがあると安心

CHAPTER 07 ACCESS

フルスト原遺跡へのアクセス

市街地に近くても、遺跡へ続く道は未舗装。

車で遺跡内へ進入できますが、 進入路には舗装されていない区間があります。 雨天後や車高の低い車では特に慎重に進みましょう。

フルスト原遺跡の入口にある史跡の石碑
ENTRANCE TO FURUSUTOBARU RUINS

FIND THE ENTRANCE

大浜地区から、案内表示を見落とさずに進む。

幹線道路沿いの大型観光施設ではないため、 入口付近では速度を落とし、 現地の案内表示と地図を確認してください。

地図アプリの案内が細い道や通行しにくい方向を示した場合は、 無理に進まず、安全な場所で経路を確認し直しましょう。

01

UNPAVED ROAD

未舗装の進入路

穴、石、水たまり、ぬかるみを確認し、 車間距離を取ってゆっくり走行してください。

02

PARKING

通行を妨げない駐車

現地案内に従い、 管理車両や他の見学者が通れる幅を確保して停めましょう。

03

RENTAL CAR

レンタカーの利用条件

未舗装路の走行条件は車両や契約によって異なるため、 不安がある場合はレンタカー会社へ確認してください。

CHAPTER 08 FREQUENTLY ASKED QUESTIONS

フルスト原遺跡のよくある質問

城跡なのか、何が見られるのか、訪れる前の疑問を整理。

フルスト原遺跡を初めて訪れる方が 気になりやすい内容をまとめました。

01 ABOUT フルスト原遺跡は何の遺跡ですか?
A

石積みで囲われた屋敷跡、古墓、御嶽などが残る、 14世紀後半から16世紀初頭ごろの集落遺跡です。

02 CASTLE OR SETTLEMENT 城跡ではないのですか?
A

グスクに似た石積みを持ちますが、 生活用品が多数出土していることや石積みの配置から、 屋敷囲いを持つ集落としての性格も強いと考えられています。

03 OYAKA AKAHACHI オヤケアカハチが住んでいた場所ですか?
A

オヤケアカハチの居城跡だったという伝承がありますが、 本人がここに住んでいたことが直接証明されているわけではありません。

04 VISIT TIME 見学にはどれくらい時間がかかりますか?
A

主な石積みと説明板を見るなら30〜45分程度が目安です。 八つの説明板や眺望広場をゆっくり巡る場合は、 1時間ほど確保すると落ち着いて見学できます。

05 CAR ACCESS 車で遺跡内へ入れますか?
A

石垣市の案内では車で史跡内へ入ることができます。 ただし進入路は未舗装のため、 路面状況を確認して慎重に走行してください。

06 RAIN 雨の日でも見学できますか?
A

屋外の遺跡で未舗装路や草地があるため、 雨天時と雨上がりは足元が滑りやすくなります。 強い雨や雷、路面状態が悪い場合は見学を控えてください。

CHAPTER 09 INFORMATION & MAP

基本情報・Googleマップ

歴史を知ったあと、場所と見学環境をもう一度確認。

保存整備や通行状況は変わる場合があります。 訪問時は石垣市の案内と現地表示を優先してください。

BASIC INFORMATION

基本情報

名称
フルスト原遺跡
読み方
フルストばるいせき
文化財指定
国指定史跡
指定年月日
1978年3月3日
所在地
沖縄県石垣市大浜
立地
宮良湾を望む標高約25mの石灰岩丘陵
指定面積
約12.3ha
主な年代
14世紀後半〜16世紀初頭ごろ
主な遺構
屋敷囲いの石積み、古墓、御嶽など
石塁遺構
15基を確認、うち7基を復元
説明板
2026年更新・新設の計8か所
車両進入
史跡内への進入可 進入路は未舗装のため慎重に走行
滞在時間
30分〜1時間程度が目安
注意点
石積みに登らず、遺物や石を持ち帰らない

※見学範囲、通行状況、保存整備の内容は変更される場合があります。

LOCATION

Googleマップ

沖縄県石垣市大浜

ROAD CONDITION

最後の進入路は、地図上の距離だけで判断しない。

未舗装路の状態は天候によって変わります。 水たまりやぬかるみがある場合は、 車両の状態と安全を優先してください。

掲載情報確認日:2026年7月