いしがき、なび。
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石垣島でお寺と言うと桃林寺(とうりんじ)です。街中に馴染んであまり目立たない門構えの寺院で島特有の木造建築部分が白く白色化した姿が約400年の歴史を感じます。1771年の「明和の大津波」で流され、1786年(天明6年)に再建されましたが、太平洋戦争で大破し1947年(昭和22年)に修復されたものが現在の姿となっています。山門には、数奇な運命を辿った、赤い仁王像があり、金剛力士像、密迹力士像が神聖な空間へ誘う為の浄化をしているようです。境内の中に入ると歴史を感じる本堂や仏像が迎えてくれます。この桃林寺は、臨済宗妙心寺派の寺で八重山列島で最古のお寺になります。創建は、薩摩藩から八重山への寺院建築の進言を受けた琉球王国第二尚氏王朝7代目国王尚寧王によって、1614年に鑑翁西堂が開山し創建され隣地に権現堂が創建されました。開山当時は真言宗でしたが禅宗、臨済宗妙心寺派の寺院へと変遷をたどっています。隣地の権現堂には熊野権現が祀られていて、御神体の銅鏡は、沖縄県内で鋳造された最古のもので1772年に鋳造されました。また、県指定文化財になっています。境内には、キジムナーの住むガジュマルの樹があるとも伝えられ、興味深く散策できます。
>仁王像は1737年に、久手堅昌忠により八重山列島産のオガタマノキで作られた沖縄県で現存最古の木彫像です。山門に金剛力士像、密迹力士像が安置されています。この2体の像は、1771年の「明和の大津波」で2体とも流されたが、約18km離れた崎枝湾の海岸に足が破損した状態で打ち上げられているのを発見され、修復されました。1956年(昭和31年)2月22日に琉球政府重要文化財に指定され、本土復帰後に沖縄県指定有形文化財となりました。